湘南茅ヶ崎のフルート教室+国分寺教室

茅ヶ崎市↔︎国分寺市のフルート奏者・吉本奈美の徒然日記
レッスンのこと、演奏のこと、その他もろもろ

2015年02月

 ご無沙汰しております。
 学生にレッスンしていると、自分が学生だった頃にどんな風に悩んだとか、考えたとかいうことを思い出します。フレーズの途中でやむなくブレスを取るときに、どうしたら不自然にならないかとか、マルカートってどうしたらそう聞こえるのか、などなど…。そういう細かいことだけではなく、良い音・響きって何か、とか(これは今でも考えますが)、ありとあらゆることです。しかしなによりまず、音符を読むということを分かっていなかったんだなぁと思います。
 学生に多いのはいわゆる「棒吹き」。音もリズムも正しく読めるようになったけれど、音に命がない。というと大袈裟かもしれないけれど、でもそういうことだと思います。
 私も受験生の頃は、楽譜を読んで音を吹くときに、書いてあるアーティキュレーション(簡単に言うとスラーやスタッカート)、強弱…そういった情報をもとに、音符に「脚色」する感覚に近かったのかなと思います。最初はそれでも良いのかもしれないけれど、教えながら改めて思うと、その感覚はだんだんと変わっていたようです。
 音楽をやっていると、よく「音の方向性」という言葉を耳にします。しかしこの言葉を、学生時代の私は漠然としか分かっていませんでした。今の私の考える「音の方向性」とは、きっと音が一つ一つ持っている気持ちなのではないかと思います。ざっくり言えば、「次の音に繋がりたい」のか、「終えたいと思っている」のか。それだけではなくて、いろいろな気持ちや意思があります。「楽しい」「悲しい」「怒り」「嬉しい」「ゆったりしたい」「急ぎたい」…「上に行きたい」「下に行きたい」…「動きたくない」というのもあるかもしれません(笑)
 それぞれの音が持っている気持ちや意思を、譜面から「感じる」。これが、音符を読むということなのかなと。そのために、譜面の情報だけでは足りなければ他にも文献を読んだり、関係する作品を紐解いてみたり…。
 無理やり脚色して表現するのではなく、その音がどうしたいのか感じ取る、その感度を上げていけるように、学生に促せたら良いなぁと、今日のレッスンを終えて思いました。
 まだまだ引き出しが足りませんので、私自身にも終わりなき努力が必要ですが。。。「音に命を与える」ことが出来るのは、書いた人、聴く人ではなく、演奏者。とても貴重で大切な役回りです。

 本日アップしたのはラフマニノフの「ヴォカリーズ」。切ないけれどどこまでも美しいメロディー。
 正確なことは忘れてしまったのですが、ラフマニノフは「歌詞など要らない!」などと言ってこの曲を書いたとか・・・聞いた気がします。ヴォカリーズとは元々、歌詞を伴わない母音唱法の事。なので原曲も「アー」の母音でずーっと歌い上げます。しかし、歌詞が無くともそこにある気持ちが伝わって来る・・・この曲の特性から、管楽器や弦楽器でもよく演奏されます。元はピアノ伴奏と歌ですが、いろいろなアレンジが存在します。オーケストラ版もあるようです。もちろんピアノで和音を紡いでいくのも美しいのですが、管楽器の生み出すハーモニーで演奏するのもなかなか良いです。
 この曲はさすがにフルート3本では音が埋まらず・・・原曲のもつ重厚なハーモニーを再現するには最低4人必要でした。ご興味のある方は以下のリンクからどうぞ。

【ラフマニノフ/ヴォカリーズ/フルート四重奏】


 最近楽器のことをあまり書いていませんでしたが、決してサボっているわけではありません(笑)毎日毎日あーでもないこーでもないと考えております。
 左手の在り方についてはいろいろ試していますが、いろいろ考えるほどこういう事はダメですね(笑)基本に立ち返って、もっと包括的に捉えなければなりません。
 左手が不自由…特に薬指や小指が不自由…これは多くの方が悩む問題です。しかしながら、問題は薬指や小指ではない可能性があります。というより、その可能性が高いかもしれません。
 私も練習に夢中になるとつい忘れてしまうことがあります。それは親指。もともと指は、何かを握ろうとする力を発揮します。親指と他の4指は対になって、鉛筆を拾ったり、携帯を持ったりします。すると、握らなくてもいいものまでつい握ってしまうことがあります。それがフルートのキィです。
 左手の親指でキィを握ってしまうと、他の4指にも自然と力が入ります。これは一種の条件反射的なものなのでしょうが、これが薬指や小指には特に大きな影響を与えてしまいます。
Don Jan  譜例は今私がオケの本番のために練習している「ドンファン」の一部です。テンポが速く難しいのですが、特に4拍目からの3連符、h→gis→fis→e(シ♯ソ♯ファミ)がカスリやすい…。でもここで動きづらい薬指に集中したりすると返って上手くいかないので、親指の解放に努めてみます。
 h(シ)に入る前のcis(♯ド)で左手は全て離していますから、hに行くときに親指を押さえることになります。しかしその次のgis(♯ソ)で親指を離し、fis(♯ファ)でまた押さえる…実は親指がもっともアクティブなのです。親指を離した後に押さえる際、特にソフトにキィに触れるように注意します。すると、薬指や小指の上げ下げが楽になったりします。そもそも、左手の親指で楽器を支えてしまっている場合は、そこから改善しなければなりませんが。
 「包括的に」と書いたように、これだけが原因ではないでしょう。身体のバランス、重心のかけ方など、もっと全体的な問題です。しかし親指の解放はとってもとっても大切なので、ぜひ意識してみてください。
 最近、問題だと思っていたことそれ自体には、答えが無いことが多いような気がしています

ちょっとご無沙汰してしまいました。
ここのところ色々と内職が続いておりました

先日編曲したチャイコフスキーの弦楽セレナードのフルート3重奏ver.、やっとアップロードできました!!!!
フルサイズで編曲したため譜面が多く、校正に少々時間を取られてしまいました
こんな本気のアレンジ、吹いてくれる人なんて居るかなぁと思いつつ・・・
しかし一人で持っておくのも勿体ないので(笑)
自分で多重録音した音源を載せたいのですが、まだ満足な録音が得られていないので・・・
またそれは後ほど。アップした際には追記します。

それからもう1曲、おなじみのカヴァレリア・ルスティカーナを私なりに編曲してみました。
こちらもフルート3重奏。丁寧に、音選びをしたつもりなので、ハーモニー豊かになっています
ご興味のある方は以下のリンクからご覧ください

まだ書きためていてアップ準備中の譜面もありますので、引き続き事務仕事を継続します
世の中いいデュオ・トリオアレンジが不足していると思います!!!
しかし、フルート愛好家は日本中にたくさんいらっしゃいます。そんな方々に気軽に、かつ十分に楽しんでいただける譜面を今後たくさん書いていきたいと思います
今回のチャイコフスキーも・・・是非どなたかに挑戦していただきたい!笑

チャイコフスキーはこちらからです。スコアの冒頭は閲覧できるようになっていますので、
面白半分でご覧ください
【チャイコフスキー/「弦楽セレナード ハ長調 作品48」より第1楽章/フルート3重奏】


カヴァレリア・ルスティカーナはこちらから。
【マスカーニ/オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より『間奏曲』/フルート3重奏】

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