私は特段有名な演奏家というわけではないにも関わらず、何故かモーツァルトのコンチェルトには縁があり、これまでも数回オケとの共演機会を頂いてきました。そして昨日はずっと憧れていた「フルートとハープのための協奏曲」を、東海大学のOBオケの皆さんと演奏しました。
今回このコンチェルトを通して知り合ったハープの方も気さくな方で、数回2人練習に付き合っていただきまして、初対面だったとは思えないくらい良いアンサンブルが出来ました。
初めてコンチェルトをオケと吹いたのは、所属しているアマチュアオーケストラで。ソリストの代奏を任されて吹いたのが始まりでした。しかもそのソリストは大変お世話になった師匠という…偶然というか何というか…それはそれは素晴らしい経験でした。それがモーツァルトのニ長調。
その年の冬…まだ学生でしたが、突然誰かの代わりで本当にソリストを務めることになって、プロ寄せ集めのオケと一緒に同じニ長調を吹くことに。アマオケと一緒に何度もリハをしていたので、それが大いに役立ちました。
その後も出身大学のオケや所属のアマオケとコンチェルトを共演する機会に恵まれての、今回のフルートハープ。普段はピアノとのアンサンブル、2〜3人から10人以下のアンサンブル、吹奏楽、オーケストラと様々な編成で演奏しますが、やはりオケをバックにソリストとして演奏するというのは難しいです。
プレッシャーがかかるので緊張から身体は硬くなりますし、それに伴い楽器が響かず音が伸びなかったり。オケの気分でテンポ感も微妙に変わることがあるので、時にはそれに合わせ、時には吹きやすいテンポまで引っ張る事も必要です。今まではこういう事に対処するまで私のレベルが達しておらず、ただただ何とか最後まで吹くのが精一杯でした。
昨日はこれまでの色々な反省点を生かし、今までで一番、自分のやりたいこと、聴かせたい音が出せた本番でした。昨日の私の目標はマウスピースの位置を探りすぎない、高い音だろうがフォルテだろうが息をできるだけゆっくり使う、そして、唇の事は忘れる(笑)
こちらでもチラホラ書いていましたが、16分音符のさらい方も影響します。オケがどんなテンポで来ようともブレない自分を構築するには、速く吹く練習だけではダメです。テンポを上げて付いて行こうとするより、テンポを落ち付けようとして我慢する方が私にとっては数倍難しいので、普段から「我慢が必要な微妙に遅いテンポ」での練習ばかりします。これは今回とても効果がありました。
…ということで、今回この貴重な機会を頂けたことに感謝するとともに、一定以上の成果があがり自分の自信になった事が本当に大きな収穫でした。また機会があったらコンチェルト吹きたいなぁ…(笑)まだまだ日々発見が絶えないこの演奏という世界…毎日が勉強です。