湘南茅ヶ崎のフルート教室+国分寺教室

茅ヶ崎市↔︎国分寺市のフルート奏者・吉本奈美の徒然日記
レッスンのこと、演奏のこと、その他もろもろ

2016年12月

私は特段有名な演奏家というわけではないにも関わらず、何故かモーツァルトのコンチェルトには縁があり、これまでも数回オケとの共演機会を頂いてきました。そして昨日はずっと憧れていた「フルートとハープのための協奏曲」を、東海大学のOBオケの皆さんと演奏しました。
今回このコンチェルトを通して知り合ったハープの方も気さくな方で、数回2人練習に付き合っていただきまして、初対面だったとは思えないくらい良いアンサンブルが出来ました。
初めてコンチェルトをオケと吹いたのは、所属しているアマチュアオーケストラで。ソリストの代奏を任されて吹いたのが始まりでした。しかもそのソリストは大変お世話になった師匠という…偶然というか何というか…それはそれは素晴らしい経験でした。それがモーツァルトのニ長調。
その年の冬…まだ学生でしたが、突然誰かの代わりで本当にソリストを務めることになって、プロ寄せ集めのオケと一緒に同じニ長調を吹くことに。アマオケと一緒に何度もリハをしていたので、それが大いに役立ちました。
その後も出身大学のオケや所属のアマオケとコンチェルトを共演する機会に恵まれての、今回のフルートハープ。普段はピアノとのアンサンブル、2〜3人から10人以下のアンサンブル、吹奏楽、オーケストラと様々な編成で演奏しますが、やはりオケをバックにソリストとして演奏するというのは難しいです。
プレッシャーがかかるので緊張から身体は硬くなりますし、それに伴い楽器が響かず音が伸びなかったり。オケの気分でテンポ感も微妙に変わることがあるので、時にはそれに合わせ、時には吹きやすいテンポまで引っ張る事も必要です。今まではこういう事に対処するまで私のレベルが達しておらず、ただただ何とか最後まで吹くのが精一杯でした。
昨日はこれまでの色々な反省点を生かし、今までで一番、自分のやりたいこと、聴かせたい音が出せた本番でした。昨日の私の目標はマウスピースの位置を探りすぎない、高い音だろうがフォルテだろうが息をできるだけゆっくり使う、そして、唇の事は忘れる(笑)
こちらでもチラホラ書いていましたが、16分音符のさらい方も影響します。オケがどんなテンポで来ようともブレない自分を構築するには、速く吹く練習だけではダメです。テンポを上げて付いて行こうとするより、テンポを落ち付けようとして我慢する方が私にとっては数倍難しいので、普段から「我慢が必要な微妙に遅いテンポ」での練習ばかりします。これは今回とても効果がありました。

…ということで、今回この貴重な機会を頂けたことに感謝するとともに、一定以上の成果があがり自分の自信になった事が本当に大きな収穫でした。また機会があったらコンチェルト吹きたいなぁ…(笑)まだまだ日々発見が絶えないこの演奏という世界…毎日が勉強です。


 このブログをご覧の方は既にご存知かと思いますが、フルートアンサンブルの楽譜を作ることが大好きな私。来年の4月でついに楽譜の販売サイトも3年目に突入します。ご利用くださるお客様がいらっしゃるからこそ続けることができています。本当に感謝の気持ちしかありません
 もともとは自分が仲間と演奏するために書き始めました。市販の譜面には何度も裏切られてきたので、ある時から一切アレンジ譜を外で買わなくなったのです(笑)
 私はあくまで「フルート科」出身なので、作曲科の皆さん並の和声の知識はないですし、ほとんど我流で書いています。頼りにするのはこれまでアンサンブルで吹いてきた経験と己の勘のみ・・・。 あ、この曲いいかも!というのが見つかってから、楽譜を書き終わるまでは楽しくてしょうがないです。ちなみに最近完成したのはパーセルの「アブデラザール」組曲のトリオバージョン。マイナーなところに行ってしまいましたが、ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」のモチーフになった曲です。
 よく周りの方に、サイトで視聴できる音源はどうしているのか、というご質問をいただきます。サイトでは、アレンジした譜面を実際にフルートで吹き込んだものを一部聞けるようにしているのです。その音源はズバリ、「山下達郎方式」で作っています(笑)つまり、一人アンサンブル・・・一人で多重録音しています。この作業が一番体力的にきついですが、最も楽しい時間でもあります。一人で何時間もレッスン室に閉じこもって、ヘッドホンをして、ひたすら好きなように多重録音・・・これぞ究極の一人遊び
 お友達がいないのかしら・・・?と誤解されそうなので一応弁解すると、私は大学が東京都内だったため主たる笛仲間はみんな東京にいまして、この遊びに協力してくれる最有力候補の友人はドイツ留学中・・・私は神奈川県の田舎暮らしなので、一人多重録音はいたしかたないのです。合わせの必要もないし、文句も言われないのでただひたすら楽しいのは否めないですが・・・とりあえずとても疲れるので、気軽に頼めるメンバーがいたら頼みたいのが本音ではあります
 作業行程を簡単に書くとこんな感じです。
編曲→パート譜作成→多重録音・音源の編集・ミキシング→楽譜修正・PDF作成→音源をyoutubeにアップ→イメージ画像・楽譜サンプル作成→サイトにアップ→発売
・・・これを一人でこなしているので、月に数曲あげられるかどうか、というのが正直な所です。演奏指導や本番が多い時期ですと滞ります。だけどやめられない・・・。吹きたい!と思える楽譜がなくて困っている人は、自分だけではないどころか、どうやら大勢いらっしゃるようだということが、お客様から頂くお声から分かってきたからです。
 簡単な譜面はお店でも売っているのですが、それでは満足できない笛吹さんが日本中にたくさんいらっしゃいます。なので私はあえて「誰でも簡単に吹けます♪」的な譜面を書くことはしません。今はアマチュアの笛吹さんもとても演奏レベルが高いので、ある程度吹きごたえのあるアレンジが求められていると感じているからです。フルート人口がものすごく多い日本・・・微力な私ですが、そんな皆さんの楽しみに少しでも貢献できたら幸いです。 
 今後も少しずつこの究極の一人遊びについてご紹介してきたいと思います

 最近また自分の演奏活動の中で学ぶことがあったので、それについて。
 大学時代はしょっちゅう「調子悪い」日があった私も、大学院時代を経てプロの先生としてレッスンをするようになった今は、それほど調子を崩すことはありませんでした。しかし最近久しぶりに調子を崩しました。原因は室内楽のコンサート(内輪の発表会ですが本気で演奏する会)で吹き散らかしたことと考えられます(笑)
 私の場合、調子を崩している時は必要以上に唇で音をコントロールしようとしてしまい、もちろん無理をすれば吹けないこともないのですが、結構しんどいです。そうなってしまう原因はだいたい分かってきました。自分の音を聴きながら「鳴っていない!」と脳が勘違いすると、全てが "too much" になってしまうようです。吹く環境が変わったり、緊張する場面で吹く時に起こります。「鳴らさなきゃ!」と思って、まず息の量が増える、普段よりも多くの息を吐くので唇が頑張らないと音がまとまらない、余計音が散る・・・この負のスパイラルに陥るのです・・・。いつもより歌口の位置がやたら気になったりするのも、私の調子悪いパターンです。
 先週末そのような状態になってしまったので、今週はあまり長時間吹かないようにしつつ、息をゆっくり使うように心がけて吹き付けないように調整してきました。今日は8割くらいまで回復した感じでしょうか。歌口の位置もシビアに探さなくて済むようになって、息も集めようとしないで吹ける状態に戻ってきました。私の場合は、息を吹きつける場所を探してしまう状態の時は吹きすぎていることが多いです。調子が悪い時は、足し算より引き算の方が良いようです。。。
 

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