4月から新しい業務が増えなかなか更新できませんでした。
さて今年も吹奏楽コンクールシーズンです。色々なフルートっ子たちを教えておりますが、割と共通した問題があります。アンブシュアの作りすぎです。これは主に初心者ではなく2年以上の経験者に多いことですが、初心者の皆さんにも気をつけて貰いたいポイントでもあります。
教則本などを見ると、さぞ大事だと言わんばかりに「アンブシュア(唇の形)」や「アパチュア(唇の間に出来る穴)」について書かれています。しかし!それに捉われすぎるとどんどん自由を失うので注意が必要です。
例えば「音をまとめなさい」と注意を受けた時、音が散っている→アンブシュアに緊張感を持たせてアパチュアを小さくする方向にコントロールしよう、と思いがちです。しかしそれでは逆効果の場合があります。何故「音をまとめなさい」と言われているのか、どんな音になってしまっているのかを考えます。
フルートの音は他の管楽器と発音原理が異なりますので、大きな音を出そうとしたり、要らぬ雑音を減らそうとする時、気をつけることも違ってきます。私が常に気をつけるのは、アパチュアの大きさに対してどれくらいの息の量を吐くか、つまりアパチュアを通る息の密度です。アパチュアの大きさに対して息が多くなると雑音が増えます(勿論頭部管の歌口と息の角度の関係も関わってきます)。単にオーバーブロー(息を使いすぎ)の場合と、アパチュアを狭めすぎている場合があります。
「音をまとめなさい」と言われた時、ただアパチュアを狭めると息が集まりすぎて、余計に響かなくなることがあります。なので、寧ろアパチュアを緩めた方が良い結果を得られる場合があるのです。また、同時に発音の方法に原因があることが殆どです。この問題はやはり実際の音を聴かないと詳しくアドバイス出来ないのですが、「まとめなさい」という言葉に惑わされすぎないよう気をつけましょう。経験上、ほとんどはアンブシュアの問題ではありません。