今日は、最近フルートの2オクターブ目の壁に挑んでいる生徒さんのレッスン。前回は頭部管を塞いだ状態で上の倍音を出すのが精一杯でした。しかし、息の量も十分だし、1オクターブ目がしっかり吹けているので2オクターブ目が出せないはずはない・・・。
  2オクターブ目に入った時に、ミよりもファ、ファよりもソ・・・上に行くほど当たりにくくなります。より安定したスピード感が必要になるからです。もっとも簡単なのはミなのですが、最初はそれも当たりません。それよりも簡単に上のオクターブを出すにはどうしたらよいのか・・・。
 今日は最近止まりながらですが吹けるようになった半音階で、音を伸ばして下って行って、最低音のドがなかなか鳴らず、上の倍音が鳴ってしまっていました。 そのうち最低音のドは鳴ったのですが、そこからヒントを得ました。低音のレから下は、慣れている人でも失敗すると上のオクターブが鳴ってしまう難しい音です。なので、それを利用することにしました。
 まず下のレの指で音を引っくり返らせオクターブ上のレを出してもらいました。下のレの指で上のレの音が出てしまうのは本当は失敗なんですが、練習のためです。 これは結構簡単に出すことができて、2オクターブ目の「音を裏返す」感覚を知ってもらいました。その後スラーで中音域のレ(下のレの指で)、ミをつなげて吹いてもらうと、今まで散々苦労していた中音域のミがしれーっと鳴ったのですその調子でファ、ソ、ラまで今日は出すことができました
 慣れないうちは、正規の指使いで 中音のレ、ミを続けて吹こうとすると、どうしてもミがオクターブ下がってしまいます。中音のレとミは譜面では隣り合っていますが、吹いている感覚としては1オクターブ位離れていると言えます。なぜなら中音のレの時には、オクターブキィの役割をしている左手人差し指のキィを上げているから。なので中音のレは簡単に出せますが、隣のミは難しいのです。
 なので、簡単なスケールをするときも、今日は中音のレを低音のレの指で吹いてもらい、そのままの息を保ってミ、ファにつなげていく練習をしました。もっと簡単にするなら、右手の小指の上げ下げを無くして、小指を上げっぱなしで中音のレ(下のレの指)ミファソを行ったり来たりしてみましょう。そうすると上の倍音を出すことに集中できるようで、楽に2オクターブ目を吹いていらっしゃいました。もちろん、慣れてきたら中音のレを元の指に戻し、小指もレからミに移る時にちゃんと下ろしてもらわねばなりませんが・・・。
 
 何事もいきなり難しいことを気合いで頑張るのではなく、できるだけ難易度を下げて感覚をつかんでいく方が、遠回りのようで早道のようです。急がば回れ今日は2オクターブ目が吹けた記念に「夏の思い出」と「遠き山に日は落ちて」をデュエット。これから色々な曲が吹けるようになりますね私もますます譜面を書かなくては