最近楽器のことをあまり書いていませんでしたが、決してサボっているわけではありません(笑)毎日毎日あーでもないこーでもないと考えております。
 左手の在り方についてはいろいろ試していますが、いろいろ考えるほどこういう事はダメですね(笑)基本に立ち返って、もっと包括的に捉えなければなりません。
 左手が不自由…特に薬指や小指が不自由…これは多くの方が悩む問題です。しかしながら、問題は薬指や小指ではない可能性があります。というより、その可能性が高いかもしれません。
 私も練習に夢中になるとつい忘れてしまうことがあります。それは親指。もともと指は、何かを握ろうとする力を発揮します。親指と他の4指は対になって、鉛筆を拾ったり、携帯を持ったりします。すると、握らなくてもいいものまでつい握ってしまうことがあります。それがフルートのキィです。
 左手の親指でキィを握ってしまうと、他の4指にも自然と力が入ります。これは一種の条件反射的なものなのでしょうが、これが薬指や小指には特に大きな影響を与えてしまいます。
Don Jan  譜例は今私がオケの本番のために練習している「ドンファン」の一部です。テンポが速く難しいのですが、特に4拍目からの3連符、h→gis→fis→e(シ♯ソ♯ファミ)がカスリやすい…。でもここで動きづらい薬指に集中したりすると返って上手くいかないので、親指の解放に努めてみます。
 h(シ)に入る前のcis(♯ド)で左手は全て離していますから、hに行くときに親指を押さえることになります。しかしその次のgis(♯ソ)で親指を離し、fis(♯ファ)でまた押さえる…実は親指がもっともアクティブなのです。親指を離した後に押さえる際、特にソフトにキィに触れるように注意します。すると、薬指や小指の上げ下げが楽になったりします。そもそも、左手の親指で楽器を支えてしまっている場合は、そこから改善しなければなりませんが。
 「包括的に」と書いたように、これだけが原因ではないでしょう。身体のバランス、重心のかけ方など、もっと全体的な問題です。しかし親指の解放はとってもとっても大切なので、ぜひ意識してみてください。
 最近、問題だと思っていたことそれ自体には、答えが無いことが多いような気がしています