いやーちょっとどきどきしました(笑)

 まぁ自分のパート決めではなく生徒さんなのですが。 吹奏楽部に入部して、フルートを吹きたい!という強い志を持って私のところに来ることになった女の子。よく譜面も読めるし、始めたばかりなのに曲も吹けるようになってしまうし、これでこの子をフルートに取らないなんて有りうるの?って
思っていたら。パート決めでは頭部管しか吹かせません、なーんて学校で言われ、練習してみたらある倍音が出せないと泣きの電話がありました。それは彼女にとっては試練です。結局はオーディション前日に急遽レッスンをして、なんとか調子が戻って、無事フルートに決まったとのことおめでとうございます自分のことみたいに嬉しいご報告でした。結局は本体も繋げて吹かせてもらえたんだとか。だよねぇと思いましたよ。。。
 思えば自分が中学で吹奏楽部に入った時も、フルートを勝ち取るためにあれこれ考えたり、必死でお古の楽器を吹いてました。その当時のことをいろいろと思い出しました。

 しかし。頭部管だけで判断しようなんて・・・その学校の先生の中にはフルートをお吹きになる先生がいらっしゃるそうで、その方の方針のようですが、 頭部管を吹かせただけで何がわかるんだ?と・・・。全員に全部の楽器を吹かせるという手間と時間のための対策なんでしょうけど、そんな不完全な状態で吹かせるほど、初めて吹く子供達にとって難しいことはありません。頭部管だけでの吹奏感と、全部を繋げた時の吹奏感は違いますし、倍音の鳴りも違うし。だいたい始めたばかりの子たちに頭部管の上の倍音をガンガン吹かせるとは・・・。それが出せるかどうかで判断されてはたまりません。頭部管で上の倍音を出すときの息はちょっと特殊ですし(普段はあまり必要ない息を使います)。 それぞれの学校でそれぞれの決め方が行われているのでしょうけど、想像すると恐ろしいものがあります・・・

 大学受験のころ、大先生のところへレッスンを受けに行った時、グループレッスンだったのでその日は二人組でした。 楽器を吹き始める時に頭部管で音出しをするという習慣がある方もたくさんいると思いますが、私はある時からあまりしなくなっていました。なんとなくですが。しかしその日一緒にレッスンだった女の子は、楽器ケースを開けるやいなや「ぽーーっ」と頭部管だけを吹き鳴らしました。するとそれを聞いていた大先生が、かつて見たこともないくらい激怒したのです一緒にいた私もビビるくらい。「そんな意味のないことはするんじゃない!」と。頭部管だけ吹いて音が出たって、繋げた時の体と楽器の位置関係とは違うし、とても無駄であるということでした。確かに・・・。
 いきなり繋げて音を出す前にワンクッション欲しいという気持ちもわかります。でもそれは本当に初心者のうちだけ。頭部管を吹いて唇を整えて・・・とか、いろいろ考えて口を作って音を出しているうちは、本当の意味で吹けているとは言えないのだと思います。そんなことを言ったら、私だって大学時代まで吹けてなかったということになりかねないですが、でもそうだと思います。今は吹けているという実感がありますが、かつての私は楽器に吹かされていた。みなさんも楽器に吹かされない第一歩として、頭部管での音出し、やめてみませんか??