湘南茅ヶ崎のフルート教室

茅ヶ崎在住のフルート奏者の徒然日記
レッスンのこと、演奏のこと、その他もろもろ

カテゴリ: フルートのコツ

 教室内の感染予防対策は今できる限りのところまで施したので、今月から教室でのレッスンを再開することにしました。予約は来週から少しずつ入っています私の移動の都合で教室レッスンができない事もあるのですが、そんな時にもオンラインレッスンは大変便利・・・!月に4回のペースでお越しくださる生徒さんがオンラインも積極的に使ってくださるので、今月は4回中2回をオンラインで在宅勤務が続く方もいるので、在宅の日はそのままご自宅でオンライン、出勤の時は帰りに教室でレッスン・・・ということが出来る訳です。この形は今後一般的になっていくのかもしれません。

 さて本題に入りますが、 今日はオクターブの跳躍の悩みについて。ある程度経験のある生徒さんでも、日によって調子が悪い事があります。アタックが決まりにくかったり、高い音がきつくなったり・・・特にコンディションが出やすいのはオクターブ跳躍の具合かなと思います。中音域の音が出にくかったり、かなり頑張らないとオクターブ上がれなかったり・・・。私も久しぶりに吹いた時や、ヘッドホンで録音ばっかりしていた時にコンディションが崩れることがありますが、そんな時に私もやっている練習をご紹介します。私の生徒さんは最低1度はやらされています(笑)すでに一般的な練習だったら真新しいものでも何でもないのですが、今の所この奏法を基礎練習に使うという話は他の方から(少なくとも私は)聞いたことがありません。

オクターブを同時に鳴らす練習
 オクターブで指が変わらない「ミ」から「ド♯」にかけて行います。これらの音を一つずつ、オクターブの音を同時に鳴らす(鳴らそうとする)、これだけです。とはいえ伝わりにくいと思いますので、珍しく動画にしてみました(映像は楽譜ですが・・・)。最初は難しいので、鳴らしやすい「ソ」〜「シ」あたりだけでも良いと思います。


・・・いきなりこの動画だけ見ると、とてつもなく跳躍が苦手な人の演奏みたいだけど大丈夫・・・!?と思われると思いますが、練習のためにわざとやっていますよ!!(笑)要は、「上のオクターブを鳴らそうとしたのに失敗して下の音が混ざっちゃった 」状態をわざと作るのです。下の音をしっかり鳴らして、上の音を足していくイメージで行うとやりやすいです
 唇はほとんど変化させないで(唇でコントロールしようという意識はゼロで!)、口の中の広さ、舌の位置、息の縦幅など、見えない部分をいろいろ変化させてみると音色が変わって面白い音が出ます。オクターブを同時に鳴らそうとしているのに、頑張っても上がりにくかった上のオクターブがピロっと出てしまうことがありますが、これはこれで成功です。つまり、オクターブの跳躍なんてそんなものだ、ということなんです。ちょっとした変化でオクターブの音は行ったり来たりできる、ということを体感してもらい、その境目を知ることによって跳躍が怖くなくなります。
 上のオクターブを吹く時の唇の形とか、アパチュアの大きさとか…色んなことが教本に書いてありますし、言われる事もあるかもしれませんが、実際にとんでもないスピードで跳躍が出てきた時に、そんなことを考えたりコントロールする時間はありません出来るだけ省エネで跳躍できるようにしましょうこの練習は、アンブシュアの無駄な力が抜け、息も速過ぎず・遅過ぎずの状態にならないとオクターブを同時に鳴らすことはできませんので、最初はなかなか上手くいかないかもしれません。でもこれをやろうとするだけで上の音が楽に出るようになる方も多いので、是非やってみてください!面白いのは、1オクターブ目も物凄く鳴るようになる人もいます

 実はこれ、一種の現代奏法的なもので、ヒントは学生時代に練習したイサン・ユンの無伴奏作品から得ました。 曲中で、まさにオクターブの音を同時に鳴らしながらトレモロをして、ピッチを上げたり下げたりするという場面があるのですが、これが何だか面白くてハマってしまいました(笑)その時はそれがコンディション調整に役立つとは思っていなかったのですが、ある時自分が不調だった時にやってみたら「なんか良さそうだぞ」ということに気付きました。私の場合は息のスピードが速過ぎたり、上に上がろうとする意思がありすぎると調子が崩れるので、そんな時にはこの練習をしてニュートラルの状態に戻します。
 オンラインレッスンで、ヘッドホンやイヤホン越しに吹いたり聞いたりする人が、私を含め以前より増えたと思います。フルートは特に、耳からの情報にアンブシュアが左右されやすい楽器だと思っていて・・・。いつもより閉塞感のある状態で吹くので、つい吹き過ぎたり力んでしまったりしませんか・・・?そんな時にも自分のニュートラルな状態を思い出すのに役立ちますので、吹きにくさを感じた時はいったん休憩して、この練習をやってみてくださいね

 さて、昨日の投稿に引続きタンギングのお話です。今日は具体的にどんな練習をすると良いのか、あくまで私のやり方ですがご紹介したいと思います。普段は生徒さんにしかお配りしていないのですが、今日は特別に練習テキストを公開(と言っても真新しいものではないと思いますが)
 普段のレッスンではもちろん市販の教本も使いますけど、社会人の生徒さんには教本をやりきる時間がなかったりします。それよりも目先の本番のための曲をさらったり、吹きたい曲を吹く時間が大切だったりするので、教本やエチュードをさらうことに時間を割くことは強要していません(中にはエチュードが好きな人もいるので、生徒さんに合わせています)。BlogPaint
 そこで、写真のようなテキストを独自に作って、その時その人に必要なテキストをお渡しして練習してもらっています。ちなみにこれは全員に配っているもので、レッスンの最初の方にほぼ100%やります
 あれ、ロングトーンは・・・?というお声がどこからともなく聞こえてきますが、もちろんいわゆるロングトーンもやって頂きます。しかし、発音が上手くいかないと長く伸ばしても意味がないと思っています(これは師匠譲り)。発音を制したものはロングトーンをも制するというのが持論です 
 さて、この練習の進め方を以下にまとめて書いてみます。

続きを読む

 今はクラシックのラジオ番組をつけて投稿しています。テレビを見ていると時間がいつの間にか経ってしまうので夜まで見ませんちなみに今日は久しぶりに散歩に出かけました。たまには日光浴びないとダメですね
 さて、レッスンに行けなくなり自主練習に励んでいる皆様に向け、何かしらお役に立てればと思いまして、不定期ではありますが、「こんな練習をしてみましょう」という提案だったり、「こんな悩みにはこんな練習が効果ありました」というお話を(今までも投稿していますが)してみようかなと思います。

 今日は教室の生徒さんたちに必ずする、タンギングについてのお話。タンギングとは舌を使って発音する技術ですが、タンギングでその人の音が決まると言っても過言ではないと思います。
 多くの教本(日本の)には、「トゥ」と発音せよと書いてあります。これは私が修士論文を書くときに売られていた教本情報ですが、今もさほど変わっていないでしょう・・・。しかし果たして「トゥ」なのでしょうか・・・?
 私がこのことに疑問を持ったのは、小泉剛さんの教本(今は絶版となっています)を読んだことがきっかけでした。吹くときに口の中は広い方がいいのか?狭い方がいいのか?という話が巻頭に載っていました。「広く」と言われたことはあったけれど、「狭く」というパターンもあるのか???と思いました。(逆の方もいるんでしょうか・・・?)そしてこの問題が私のタンギングにおける悩みを解決する突破口になったのです(似たような話を以前も書いているかもしれませんが、無視して書きます笑)。「広く」「狭く」と言ったときにそれが何の具合かというと、人によると思いますが大きくは舌の位置、そして顎の位置かと思います。ヨーロッパのフルート教本を見ると、実に色々なタンギングのシラブルがあります。TeとかTiとかTaとか様々です。日本では「トゥ」一種類しか書いていない教本が多いのに対し、ヨーロッパのものは何種類も書いてあるというのが特徴的だと思いました。
 例えば Ta Te Ti という3つのシラブルを取り出したときに、何が違うかというと「母音」が違います。母音が違うとフルートの発音においては何が違ってくるかというと、空気の通り道の道幅が変わります。
BlogPaint 図はネット上にあった図を拝借しています。母音毎に舌の位置を示してあり、空気の通り道を私が水色に着色しました。注目していただきたいのは、「i」と「e」と「a」を比べた時の空気の通り道の幅です。特に前舌と言って、歯に近い方の舌と、上顎の距離を比べてください(下手な赤い矢印です笑)。iからaにかけてだんだん広くなるのが分かると思います。海外の教本では、これを使い分けているわけです。日本語の母音の数に比べて、海外の母音はもっと多いので、その分多様な発音方法があると考えられます。
 この空気の幅の使い分けによって、呼気のスピードをコントロールすることができます。フルートは他の管楽器に比べて圧力は全然必要ありません(経験談)。その代わり、いかに程々の息のスピードを軽やかにキープするか、という問題が常に付きまといます。アパチュアのコントロールである程度息のスピードを変えることもできますが、これに頼っていると唇が疲れてしまったり、力みを感じるようになってしまいます。これが昔の私や多くの生徒さんに起こっていた症状でした。
 この話を元にぜひ考えていただきたいのは、フルートを吹くときの息の通り道は一通りではなく、それぞれの音にあった息の通り道がある!ということです。「Ti」が良い音もあるし、「Ta」が良い音もある。「Te」は比較的万能選手なので、私はレッスンでも「トゥ」ではなく「Te」をお勧めしています。「トゥ」は先ほどの図で舌が後ろの方にある「u」の母音を利用しています(「トゥ」の出所ですが、そもそもはアルテのフルート教本で「Tu」という発音が紹介され、それがフランス語であるにも関わらずそのまま日本人に「トゥ」と読まれてしまったのではと私は推測しています)。本当にしっかり「トゥ」と発音すると綺麗な音が出ないのですが、「u」の発音時に舌の後ろの方がかなり上顎に近づき、それによって気流に乱れが生じるせいではないかと思います(ある程度の勘のある人なら「トゥ」と習っても、良い音を求めていくうちに、そうは発音しなくなっていくのでしょう)。
 ・・・ちょっと理屈っぽくなってしまいましたが、発音を使い分けることができるようになると、圧倒的にアンブシュアの負荷が減ります(これは実体験)。音によって発音を使い分けるって何だか難しそう・・・大人から始めたような自分にそれが覚えられるかしら・・・色々な声が聞こえてきますが、教室の生徒さんにも浸透しているので大丈夫です!
 具体的な練習方法について、明日あたりまた投稿しようと思いますので、ご興味のある方はぜひご覧くださいませ

 こんな調子で、動けない今だからこそできることを私なりに考えて活動して行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします

_._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._

◆重要なお知らせ◆【教室レッスンの一時休止とオンラインレッスン開講のお知らせ】2020.4.

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いております。また、首都圏に緊急事態宣言が出されることとなりました。当教室でも講師とお客様の感染リスクを考え、4月中の教室レッスンは中止と致します。また体験レッスンも一時休止させて頂きます。教室レッスンの再開時期につきましては、政府や神奈川県からの要請等を加味しながら判断したいと思います。ご理解いただければ幸いです。
 これに伴いまして、この度オンラインレッスンを開講することと致しましたパソコンやスマートフォンがあれば、ウェブ会議システムを利用して全国どこからでもレッスンが受けられます。お使いのパソコン・スマートフォンでちゃんとレッスンができるかどうかの確認も兼ねて、体験レッスン(無料)を実施しますので、お気軽にお申込みください。詳細は教室ホームページをご覧ください。

 殆どの生徒さんが毎月それぞれのスパンでレッスンにいらっしゃるのですが、忙しい生徒さんだとたまにメンテナンス感覚でいらっしゃることもあります(病院の様です笑)。昨日は部活で忙しい高校生が久しぶりにやってきました。
 吹奏楽でフルートを吹くのは本当に難しいと思います。周りの大きな音に囲まれて吹かなければならないので、吐きすぎてしまってコンディションも崩しやすいです。その高校生も色々と悩みながら一生懸命練習するあまり、指が痛くなるほどだそう…しかし指が痛むのは大変よくありません。
つまり力が入りすぎているのですが、じゃあ抜いてくださいと言われたところで直せるものでもありません。何故力が入るのか?という事を考える必要があります。
続きを読む

昨日は大学時代、フルート専攻で一緒に切磋琢磨した友人と食事をしましたが、やはり話はフルートの方へ。現在二人ともオフセットの楽器を使用していますが、かつては二人ともインラインのリングキィを吹いていました。
受験となると総銀製×リングキィを購入する人が多いと思いますが、リングキィは殆どがインライン。私も受験の頃にそのような楽器に変わりました。しかし、楽器の重さのせいもあり左の手首や薬指を痛めるなど、故障が相次ぎました。それをキッカケに楽器の支え方などを見直し、その時は順応したのですが、若くなくなってくるとまた色々と不都合が…音色の好みが変わってきたこともあり、その時の楽器は売ってしまいました。
その後は受験前に吹いていたスチューデントモデルに戻るしかなかったのですが、そのオフセットの吹きやすいこと。。。現在はオフセットリングの楽器をようやく手に入れ、一生懸命慣らしているところです。
日本人、特に女性にとって、インラインの楽器を吹くメリットはあるのでしょうか…?左手の薬指や小指の問題はかなり大きく、いかに無理なく動かせるかが鍵です。オフセットの方が圧倒的に薬指にかかる負担が軽減されますが、インラインで頑張っている人(特に音大生以上)はまだまだたくさんいます。
インラインの方がメカがシンプルなので響きが良いとかいうみたいですが、そもそも扱いきれず力んだり痛めたりするようでは、響きも何もないと思うのです。響きの違いというのも殆ど個人比の世界で、聴く人はインラインかオフセットかを聴き分けられないと思います。仮にオフセットの方が響きの面で劣るとしても、無理して吹いているより自由に吹けた方が演奏も良いものになるはずです。
まだまだリングキィの楽器は殆どがインラインですが、そろそろオフセットリング標準の時代が来ても良いのでは…なんてことを思った夜でした。

4月から新しい業務が増えなかなか更新できませんでした。
さて今年も吹奏楽コンクールシーズンです。色々なフルートっ子たちを教えておりますが、割と共通した問題があります。アンブシュアの作りすぎです。これは主に初心者ではなく2年以上の経験者に多いことですが、初心者の皆さんにも気をつけて貰いたいポイントでもあります。
教則本などを見ると、さぞ大事だと言わんばかりに「アンブシュア(唇の形)」や「アパチュア(唇の間に出来る穴)」について書かれています。しかし!それに捉われすぎるとどんどん自由を失うので注意が必要です。
例えば「音をまとめなさい」と注意を受けた時、音が散っている→アンブシュアに緊張感を持たせてアパチュアを小さくする方向にコントロールしよう、と思いがちです。しかしそれでは逆効果の場合があります。何故「音をまとめなさい」と言われているのか、どんな音になってしまっているのかを考えます。
フルートの音は他の管楽器と発音原理が異なりますので、大きな音を出そうとしたり、要らぬ雑音を減らそうとする時、気をつけることも違ってきます。私が常に気をつけるのは、アパチュアの大きさに対してどれくらいの息の量を吐くか、つまりアパチュアを通る息の密度です。アパチュアの大きさに対して息が多くなると雑音が増えます(勿論頭部管の歌口と息の角度の関係も関わってきます)。単にオーバーブロー(息を使いすぎ)の場合と、アパチュアを狭めすぎている場合があります。
「音をまとめなさい」と言われた時、ただアパチュアを狭めると息が集まりすぎて、余計に響かなくなることがあります。なので、寧ろアパチュアを緩めた方が良い結果を得られる場合があるのです。また、同時に発音の方法に原因があることが殆どです。この問題はやはり実際の音を聴かないと詳しくアドバイス出来ないのですが、「まとめなさい」という言葉に惑わされすぎないよう気をつけましょう。経験上、ほとんどはアンブシュアの問題ではありません。

 気づいたら2019年が始まっておりました。ご無沙汰しております怒涛の年末年始でございました。皆様いかがお過ごしでしたでしょうか。
 さて、今日は最近レッスンで多かった質問・・・右手の親指の場所についてです。確かに、教本によっても色々なご意見が書かれています。しかしながら、明確に書いてあるものほど危険なこともあるので、ちょっと注意がいるように思います。ここじゃなきゃ駄目!ということは無いと思います。基本的に自分が吹きやすければ良いのですが、動きにくかったりどこか力みがあるようだと恐らく改善の余地ありです
 とある生徒さんは、何かの本に「右手の親指は中指の下辺りにつけましょう」と書いてあったのを真面目に守っていたそう。動かしにくさを感じ、色々変えてはみるものの、本に書いてあるしなぁ…とそのまま頑張っていました。
 私自身もこれまで色々な支え方をしてきましたが、今は人差し指の下辺りに落ち着きました 。例えば甲を上にして右手を自分の目の前に持ってきた時、親指は中指の下にあるでしょうか…?恐らく違いますよね。人差し指の真下でもないかもしれません。親指を中指の下まで持ってこようとした時、親指の筋がかなり張るはずです。この状態で人差し指から小指までを滑らかに使えるでしょうか…?使える方は良いのですが、私には難しいです。
 親指に関しては、左右だけではなく前後の位置関係の問題もあります。お客さんの方側に親指が飛び出している方、 逆に自分側に添える感じの方、重力に従って真下に置く方・・・。この問題が絡むとまた複雑になってしまうので、今回はこの辺にしますが・・・こちらの記事が少しだけ参考になるかもしれません。

 フルートの奏法の何に関しても言えることですが、私は常に自分の身体をなるべく自然な状態で使えているかをテーマにしています。唇も、首も、腕も、指先も・・・。プロの世界でも色々な人が色々なやり方でフルートを吹いて、成功した方法を後世に伝えています。でもそれはあくまでその人が「こうしたら上手くいった」という方法論なだけであって、誰にでも当てはまるわけではありません。書いてある通りにやってみて上手くいったら、それはとっても幸せなことです。しかし合わないこともありますので、不具合があればすぐにやめるべきです。
 私も自分の支え方を生徒さんに押し付けないように気をつけています。私の親指はあまり反らないのですが、生徒さんの中には親指の第一関節が柔らかくて、直角くらいまで反る方もいます。そういう方は私と同じように当ててもらっても上手くいきませんので、その人その人にあった親指の場所を模索するしかありません(反りやすい人だと、中指の下くらいまで親指を持ってきた方が楽な場合もありました)。人の奏法に惑わされず、自分にとって自然な構え方を見つけていきましょう

 フルートを吹く際に、「息の方向」というワードはよく出て来ます。歌口のエッヂにどういう方向(角度)で息を吹き付けるか、とかそういった事を考える場面でよく使います。ですが今日はその話ではありません。もっと根本的な部分…肺に溜めた空気をどこを目掛けて出すのか、というお話です。
 色々な方をレッスンしていると、音が暗くなってしまうという問題によくぶつかります頭部管の角度、顔の角度、アンブシュア等々…考えられる要因はいくつかあるのですが、そもそも息を吐く時のイメージがあまり良くないという場合もかなりあります。
 吸った息は気管を通って肺に溜まります。吐く時には、ガス交換を終えた空気が再び気管を通り、口の中に入って唇から出て行きます。ここまでは当たり前の事なのですが、管楽器の演奏の時はこの息の通り道を複雑に感覚してしまいがちです。特に、気管を通り過ぎた後…喉のあたりから口の中、唇にかけての通り道を意識しすぎてしまう事があります。喉のあたりに、息を押し出そうとするような力みは無いでしょうか?時々吹いている間にのどが鳴ってしまう方もいます。
 私はこう考えるようにしています。呼気が軟口蓋(口の天井、舌で触れます)に当たったら、後は勝手に歌口の方へ行ってくれます。唇や喉で何かしようとする必要は全くありません。変に意識をすると空気の通り道が複雑になり、響きのない音になったり、伸びのない音になったり…結果音程も低くなるなど、様々な問題が起こります。
 なのでイメージとしては、口から正面に息を吐くというより、軟口蓋や頭のてっぺんに向かって身体の底から息を当てる感覚です。口から吐くイメージだと、肺から来た空気を喉や口で一旦折り曲げて出すような感覚になりがちなので、その工程は無くしてしまいましょう。
 ついでに息を吸う時にも、口から食べるように息を吸うのは良いイメージではありません。飲み物や食べ物を嚥下する筋肉は、呼吸と関係ないからです。それよりも、頭の上から身体の下の方へ向かって、空気がドッと入ってくるようなイメージを持つと良いようです。空気は上から下、下から上に動くだけ。前後の動きは考えないようにしてみましょう。

_._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._._

◆重要なお知らせ◆【教室レッスンの一時休止とフルートのオンラインレッスン開講のお知らせ】2020.4.

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いております。また、首都圏に緊急事態宣言が出されることとなりました。当教室でも講師とお客様の感染リスクを考え、4月中の教室レッスンは中止と致します。また体験レッスンも一時休止させて頂きます。教室レッスンの再開時期につきましては、政府や神奈川県からの要請等を加味しながら判断したいと思います。ご理解いただければ幸いです。
 これに伴いまして、この度オンラインレッスンを開講することと致しました。パソコンやスマートフォンがあれば、ウェブ会議システムを利用して全国どこからでもレッスンが受けられます。お使いのパソコン・スマートフォンでちゃんとレッスンができるかどうかの確認も兼ねて、体験レッスン(無料)を実施しますので、お気軽にお申込みください。詳細は教室ホームページをご覧ください。 

 フルートはとにかく息が足りなくて苦労する楽器ですが、私もずっと息の吸い方に悩んできた一人です。色々な呼吸法、トレーニング、、、様々試してきました。
 結果的に今はどういう形で落ち着いているかといいますと、 あまり吸うということ自体を意識しなくなりました。そもそも「吸う」という行為は能動的に行うことではなく、空気がたくさん吸える状態になれば勝手に入ってくるものです(学生の頃はこの感覚がわからなくて困っていましたが)。とはいえ、ここぞという時には変な力が入って思うように吸えなかったり・・・特に「牧神の午後」の冒頭は緊張しました・・・。
 そもそも鼻で吸うのか、口で吸うのかという議論もあったりします。私はたまたま両方の推進派の先生に習いましたので、場合によって使い分けております。ですが、素早いブレスを取らなければならない時には口から吸っています。今日は口から吸う場合にどう口を開けるかというお話。
 私もかつてそうでしたが、上唇を上げるようにしてブレスをする学生さんが多いです。下顎に当てているリッププレートをズラしたくないというのが、無意識に働いているのではと推測しています。しかしこの開け方はあまりたくさん吸えませんし、力みが出やすいです。
 その後外国でレッスンを受けた際にとある先生に言われたのが、下顎を下げる(下唇を下げる)というやり方です。魚のようにパクパク下顎を動かして息を吸う。上唇を無理に動かしていた時よりは空気がたくさん入ってきますし、ブレスの都度顎の力も抜けます(というより抜けていないとこの吸い方はできません)。ただし結構リッププレートごと動くので、次の音のためにアンブシュアを整えるのがちょっと難しいという難点があります(この動かし方もできた方が良いです、下顎も吹いている間はフレキシブルに使えた方が良いですから)。
 そんな中私が最近発見したのは(前から提唱している方がいらっしゃったらごめんなさい)、ズバリ「横開き」。ある日私は、口を縦に開くのをいっそやめて「へ」と言うような感じで、口を横に開いてみたわけです。見かけはあまりスペースが開いているように見えないのですが、やって見ると予想以上に空気を取り込むことができてちょっと驚きました。そして唇の上下動も少ないため、リッププレートやアンブシュアもそれほど影響を受けません。横隔膜がどうとか、肺がどうとか、お腹がどうとか、背中がどうとか・・・今まではいろいろなことを考えてきましたが、今私がブレスの時に考えるのは「へ」の口で吸うということだけです。
 皆さんに効果があるかどうかは分かりませんが、試しても何かが減るわけではないので、うまく吸えなくて困っている方は是非お試しいただければと思います。悩める吹奏楽部員たち数人に伝授しましたが、いずれも効果ありでした

 私自身の話になりますが、大学時代に先生から「舌に圧力を感じなさい」という指摘をされていたことがあります。舌に圧力・・・力を込めるってこと・・・???そんな調子で当時はあまりピンときておらず、それほどその点に重要性を感じなかったため、なんとなくそのままになっていました。実際それでもある程度音が出て吹けてしまうのがフルートの良いところでもあり、悪いところでもあります。
 ここ数年必要に迫られクラリネットをちょっとだけ吹いているのですが、タンギングが難しいことこの上ないのですそもそもクラリネットは、口の中に十分に空気が溜め込まれないと音が出ません。フルートを吹くのに必要な量の何倍もの息を、一気に吐き出すような感覚。なので最初の2週間くらいは、息を吐くってどうするんだっけ・・・?という謎(笑)が生まれ、音を出すのに大変苦労しました。フルートは常に酸欠との戦いで、息がとにかく足りない楽器だと言われていますが、音にするのに必要な息の量は実は少ないのでは・・・?(つまりフルートだけが特別息を浪費しているのではなく、使われ方が違うだけで他の楽器にもたくさんの息が必要なのですね)フルートの場合、とにかく息が逃げて行って大変なのは確かですが。
続きを読む

このページのトップヘ